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(令和元年厚生労働省令第三十四号)
施行日: 令和四年四月一日
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無料低額宿泊所の設備及び運営に関する基準
令和元年厚生労働省令第三十四号
無料低額宿泊所の設備及び運営に関する基準
社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)第六十八条の五第一項の規定に基づき、無料低額宿泊所の設備及び運営に関する基準を次のように定める。
第一章 総則
(趣旨)
第一条 社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号。以下「法」という。)第二条第三項第八号に規定する生計困難者のために、無料又は低額な料金で、簡易住宅を貸し付け、又は宿泊所その他の施設を利用させる事業を行う施設(以下「無料低額宿泊所」という。)に係る法第六十八条の五第二項の厚生労働省令で定める基準は、次の各号に掲げる基準に応じ、それぞれ当該各号に定める規定による基準とする。
一 法第六十八条の五第一項の規定により、同条第二項第一号に掲げる事項について都道府県(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市(以下「指定都市」という。)及び同法第二百五十二条の二十二第一項の中核市(以下「中核市」という。)にあっては、指定都市又は中核市。以下この条において同じ。)が条例を定めるに当たって標準とすべき基準 第六条及び第十三条の規定による基準
二 法第六十八条の五第一項の規定により、同条第二項第二号に掲げる事項について都道府県が条例を定めるに当たって標準とすべき基準 第十二条第四項第一号及び第六項第一号ハ並びに附則第三条第一項第一号の規定による基準
三 法第六十八条の五第一項の規定により、同条第二項第三号に掲げる事項について都道府県が条例を定めるに当たって標準とすべき基準 第十四条第一項から第六項まで、第二十八条及び第三十一条の規定による基準
四 法第六十八条の五第一項の規定により、同条第二項第四号に掲げる事項について都道府県が条例を定めるに当たって標準とすべき基準 第十条並びに第十一条第一項(利用期間に係る部分を除く。)及び第四項の規定による基準
五 法第六十八条の五第一項の規定により、同条第二項各号に掲げる事項以外の事項について都道府県が条例を定めるに当たって参酌すべき基準 この省令で定める基準のうち、前各号に定める規定による基準以外のもの
(無料低額宿泊所の範囲)
第二条 無料低額宿泊所は、次の各号に掲げる事項を満たすものとする。ただし、他の法令により必要な規制が行われている等事業の主たる目的が、生計困難者のために、無料又は低額な料金で、簡易住宅を貸し付け、又は宿泊所その他の施設を利用させるものでないことが明らかである場合は、この限りでない。
一 次に掲げるいずれかの事項を満たすものであること。
イ 入居の対象者を生計困難者に限定していること(明示的に限定していない場合であっても、生計困難者に限定して入居を勧誘していると認められる場合を含む。)。
ロ 入居者の総数に占める生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第六条第一項に規定する被保護者(以下「被保護者」という。)の数の割合が、おおむね五十パーセント以上であり、居室の利用に係る契約が建物の賃貸借契約以外の契約であること。
ハ 入居者の総数に占める被保護者の数の割合が、おおむね五十パーセント以上であり、利用料(居室使用料及び共益費を除く。)を受領してサービスを提供していること(サービスを提供する事業者が人的関係、資本関係等において当該施設と密接な関係を有する場合を含む。)。
二 居室使用料が無料又は生活保護法第八条に規定する厚生労働大臣の定める基準(同法第十一条第三号に規定する住宅扶助に係るものに限る。)に基づく額以下であること。
第二章 基本方針
(基本方針)
第三条 無料低額宿泊所は、入居者が地域において自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、現に住居を求めている生計困難者につき、無料又は低額な料金で、居室その他の設備を利用させるとともに、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう必要なサービスを適切かつ効果的に行うものでなければならない。
2 無料低額宿泊所は、入居者の意思及び人格を尊重して、常に当該入居者の立場に立ったサービスの提供に努めなければならない。
3 無料低額宿泊所は、基本的に一時的な居住の場であることに鑑み、入居者の心身の状況、その置かれている環境等に照らし、当該入居者が独立して日常生活を営むことができるか常に把握しなければならない。
4 無料低額宿泊所は、独立して日常生活を営むことができると認められる入居者に対し、当該入居者の希望、退居後に置かれることとなる環境等を勘案し、当該入居者の円滑な退居のための必要な援助に努めなければならない。
5 無料低額宿泊所は、地域との結び付きを重視した運営を行い、都道府県、市町村(特別区を含む。以下同じ。)、生計困難者の福祉を増進することを目的とする事業を行う者その他の保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との連携に努めなければならない。
第三章 設備及び運営に関する基準
(構造設備等の一般原則)
第四条 無料低額宿泊所の配置、構造及び設備は、日照、採光、換気等入居者の保健衛生に関する事項及び防災について十分考慮されたものでなければならない。
(設備の専用)
第五条 無料低額宿泊所の設備は、専ら当該無料低額宿泊所の用に供するものでなければならない。ただし、入居者に提供するサービスに支障がない場合には、この限りでない。
(職員等の資格要件)
第六条 無料低額宿泊所の長(以下「施設長」という。)は、法第十九条第一項各号のいずれかに該当する者若しくは社会福祉事業等に二年以上従事した者又はこれらと同等以上の能力を有すると認められる者でなければならない。
2 無料低額宿泊所は、当該無料低額宿泊所の職員(施設長を除く。)が、できる限り法第十九条第一項各号のいずれかに該当する者とするよう努めるものとする。
3 無料低額宿泊所の職員(施設長を含む。第二十一条を除き、以下同じ。)その他の無料低額宿泊所の運営に携わる者は、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第二条第六号に規定する暴力団員又は同号に規定する暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者であってはならない。
(運営規程)
第七条 無料低額宿泊所は、次に掲げる施設の運営についての重要事項に関する規程(以下「運営規程」という。)を定めておかなければならない。
一 施設の目的及び運営の方針
二 職員の職種、員数及び職務の内容
三 入居定員
四 入居者に提供するサービスの内容及び利用料その他の費用の額
五 施設の利用に当たっての留意事項
六 非常災害対策
七 その他施設の運営に関する重要事項
2 無料低額宿泊所は、前項に規定する運営規程を定め、又は変更したときは、都道府県(指定都市及び中核市にあっては、指定都市又は中核市。)に届け出なければならない。
(非常災害対策)
第八条 無料低額宿泊所は、消火設備その他の非常災害に際して必要な設備を設けるとともに、非常災害に対する具体的計画を立て、非常災害時の関係機関への通報及び連絡体制を整備し、それらを定期的に職員に周知しなければならない。
2 無料低額宿泊所は、非常災害に備えるため、少なくとも一年に一回以上、定期的に避難、救出その他必要な訓練を行わなければならない。
(記録の整備)
第九条 無料低額宿泊所は、設備、職員及び会計に関する諸記録を整備しておかなければならない。
2 無料低額宿泊所は、入居者に提供するサービスの状況に関する次の各号に掲げる記録を整備し、その完結の日から五年間保存しなければならない。
一 提供した具体的なサービスの内容等の記録
二 第三十条第二項に規定する苦情の内容等の記録
三 第三十一条第二項に規定する事故の状況及び事故に際して採った処置についての記録
(規模)
第十条 無料低額宿泊所は、五人以上の人員を入居させることができる規模を有するものでなければならない。
(サテライト型住居の設置)
第十一条 無料低額宿泊所は、本体となる施設(入居定員が五人以上十人以下のものに限る。以下この条において「本体施設」という。)と一体的に運営される附属施設であって、利用期間が原則として一年以下のもの(入居定員が四人以下のものに限る。以下「サテライト型住居」という。)を設置することができる。
2 サテライト型住居は、本体施設からおおむね二十分で移動できる範囲に設置する等、入居者へのサービス提供に支障がないものとする。
3 一の本体施設に附属することができるサテライト型住居の数は、次の各号に掲げる職員配置の基準に応じ、それぞれ当該各号に定める数とする。
一 第六条第一項及び第三項の要件を満たす者が施設長のみ 四以下
二 第六条第一項及び第三項の要件を満たす者が施設長のほか一人以上 八以下
4 無料低額宿泊所(サテライト型住居を設置するものに限る。)の入居定員の合計は、次の各号に掲げる職員配置の基準に応じ、それぞれ当該各号に定める人数とする。
一 第六条第一項及び第三項の要件を満たす者が施設長のみ 二十人以下
二 第六条第一項及び第三項の要件を満たす者が施設長のほか一人以上 四十人以下
5 無料低額宿泊所(サテライト型住居を設置するものに限る。)は、サテライト型住居について、第九条各項に規定する記録のほか、第二十条の規定による状況把握の実施に係る記録を整備し、その完結の日から五年間保存しなければならない。
(設備の基準)
第十二条 無料低額宿泊所の建物は、建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)の規定を遵守するものでなければならない。
2 無料低額宿泊所の建物は、消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)の規定を遵守するものでなければならない。
3 前項の規定にかかわらず、無料低額宿泊所は、消火器の設置、自動火災報知設備等の防火に係る設備の整備に努めなければならない。
4 無料低額宿泊所には、次に掲げる設備を設けなければならない。ただし、法第六十二条第一項に規定する社会福祉施設その他の施設の設備を利用することにより、当該無料低額宿泊所の効果的な運営を期待することができる場合であって、入居者に提供するサービスに支障がないときは、設備の一部を設けないことができる。
一 居室
二 炊事設備
三 洗面所
四 便所
五 浴室
六 洗濯室又は洗濯場
5 無料低額宿泊所には、必要に応じ、次に掲げる設備その他の施設の円滑な運営に資する設備を設けなければならない。
一 共用室
二 相談室
三 食堂
6 第四項各号に掲げる設備の基準は、次のとおりとする。
一 居室
イ 一の居室の定員は、一人とすること。ただし、入居者がその者と生計を一にする配偶者その他の親族と同居する等、二人以上で入居させることがサービスの提供上必要と認められる場合は、この限りでない。
ロ 地階に設けてはならないこと。
ハ 一の居室の床面積(収納設備を除く。)は、七・四三平方メートル以上とすること。ただし、地域の事情によりこれにより難い場合にあっては、四・九五平方メートル以上とすること。
ニ 居室の扉は、堅固なものとし、居室ごとに設けること。
ホ 出入口は、屋外、廊下又は広間のいずれかに直接面して設けること。
ヘ 各居室の間仕切壁は、堅固なものとし、天井まで達していること。
二 炊事設備 火気を使用する部分は、不燃材料を用いること。
三 洗面所 入居定員に適したものを設けること。
四 便所 入居定員に適したものを設けること。
五 浴室
イ 入居定員に適したものを設けること。
ロ 浴槽を設けること。
六 洗濯室又は洗濯場 入居定員に適したものを設けること。
(職員配置の基準)
第十三条 無料低額宿泊所に置くべき職員の員数は、入居者の数及び提供するサービスの内容に応じた適当数とし、そのうち一人は施設長としなければならない。
2 当該無料低額宿泊所が生活保護法第三十条第一項ただし書に規定する日常生活支援住居施設(以下「日常生活支援住居施設」という。)に該当する場合は、前項の規定にかかわらず、日常生活支援住居施設としての職員配置の要件を満たさなければならない。
(入居申込者に対する説明、契約等)
第十四条 無料低額宿泊所は、居室の利用その他のサービスの提供の開始に際しては、あらかじめ、入居申込者に対し、運営規程の概要、職員の勤務の体制、当該サービスの内容及び費用その他の入居申込者のサービスの選択に資すると認められる重要事項を記した文書を交付して説明を行うとともに、居室の利用に係る契約とそれ以外のサービスの提供に係る契約をそれぞれ文書により締結しなければならない。
2 無料低額宿泊所は、前項の契約又は当該契約の更新において、契約期間(一年以内のものに限る。ただし、居室の利用に係る契約については、建物の賃貸借契約(借地借家法(平成三年法律第九十号)第三十八条の規定による定期建物賃貸借を除く。)の場合は、一年とする。)及び解約に関する事項を定めなければならない。
3 無料低額宿泊所は、前項の契約期間の満了前に、あらかじめ入居者の意向を確認するとともに、法第十四条の規定に基づき都道府県又は市町村が設置する福祉に関する事務所(以下「福祉事務所」という。)等都道府県又は市町村の関係機関と、当該入居者が継続して無料低額宿泊所を利用する必要性について協議しなければならない。
4 無料低額宿泊所は、第二項の解約に関する事項において、入居者の権利を不当に狭めるような条件を定めてはならない。
5 無料低額宿泊所は、第二項の解約に関する事項において、入居者が解約を申し入れたときは、速やかに当該契約を終了する旨を定めなければならない。
6 無料低額宿泊所は、第一項の契約又は当該契約の更新において、入居申込者に対し、保証人を立てさせてはならない。
7 無料低額宿泊所は、入居申込者からの申出があった場合には、第一項の規定による文書の交付に代えて、第十項で定めるところにより、当該入居申込者の承諾を得て、当該文書に記すべき重要事項及び第二項の事項を電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって次に掲げるもの(以下この条において「電磁的方法」という。)により提供することができる。この場合において、当該無料低額宿泊所は、当該文書を交付したものとみなす。
一 電子情報処理組織を使用する方法のうちイ又はロに掲げるもの
イ 無料低額宿泊所の使用に係る電子計算機と入居申込者の使用に係る電子計算機とを接続する電気通信回線を通じて送信し、受信者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法
ロ 無料低額宿泊所の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録された第一項の重要事項及び第二項の事項を電気通信回線を通じて入居申込者の閲覧に供し、当該入居申込者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに当該重要事項等を記録する方法(電磁的方法による提供を受ける旨の承諾又は受けない旨の申出をする場合にあっては、無料低額宿泊所の使用に係る電子計算機に備えられたファイルにその旨を記録する方法)
二 磁気ディスク、シー・ディー・ロムその他これらに準ずる方法により一定の事項を確実に記録しておくことができる物をもって調製するファイルに第一項の重要事項及び第二項の事項を記録したものを交付する方法
8 前項に掲げる方法は、入居申込者がファイルへの記録を出力することにより文書を作成することができるものでなければならない。
9 第七項第一号の電子情報処理組織とは、無料低額宿泊所の使用に係る電子計算機と、入居申込者の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。
10 無料低額宿泊所は、第七項の規定により第一項の重要事項及び第二項の事項を提供しようとするときは、あらかじめ、当該入居申込者に対し、その用いる次に掲げる電磁的方法の種類及び内容を示し、文書又は電磁的方法による承諾を得なければならない。
一 第七項各号に規定する方法のうち無料低額宿泊所が使用するもの
二 ファイルへの記録の方式
11 前項の規定による承諾を得た無料低額宿泊所は、当該入居申込者から文書又は電磁的方法により電磁的方法による提供を受けない旨の申出があったときは、当該入居申込者に対し、第一項の重要事項及び第二項の事項の提供を電磁的方法によってしてはならない。ただし、当該入居申込者が再び前項の規定による承諾をした場合は、この限りでない。
(入退居)
第十五条 無料低額宿泊所は、入居予定者の入居に際しては、その者の心身の状況、生活の状況等の把握に努めなければならない。
2 無料低額宿泊所は、入居者の心身の状況、入居中に提供することができるサービスの内容等に照らし、無料低額宿泊所において日常生活を営むことが困難となったと認められる入居者に対し、その者の希望、その者が退居後に置かれることとなる環境等を勘案し、その者の状態に適合するサービスに関する情報の提供を行うとともに、適切な他のサービスを受けることができるよう必要な援助に努めなければならない。
3 無料低額宿泊所は、入居者の退居に係る援助に際しては、福祉事務所等都道府県又は市町村の関係機関、相談等の支援を行う保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者等との密接な連携に努めなければならない。
(利用料の受領)
第十六条 無料低額宿泊所は、入居者から利用料として、次に掲げる費用(第七号については、当該無料低額宿泊所が日常生活支援住居施設である場合に限る。)を受領することができる。
一 食事の提供に要する費用
二 居室使用料
三 共益費
四 光熱水費
五 日用品費
六 基本サービス費
七 入居者が選定する日常生活上の支援に関するサービスの提供に要する費用
2 前項各号に掲げる利用料の基準は、次のとおりとする。
一 食事の提供に要する費用 食材費及び調理等に関する費用に相当する金額とすること。
二 居室使用料
イ 当該無料低額宿泊所の整備に要した費用、修繕費、管理事務費、地代に相当する額等を基礎として合理的に算定された金額とすること。
ロ イに規定する金額以外に、敷金、権利金、謝金等の金品を受領しないこと。
三 共益費 共用部分の清掃、備品の整備等の共用部分の維持管理に要する費用に相当する金額とすること。
四 光熱水費 居室及び共用部分に係る光熱水費に相当する金額とすること。
五 日用品費 入居者本人が使用する日用品の購入費に相当する金額とすること。
六 基本サービス費 入居者の状況把握等の業務に係る人件費、事務費等に相当する金額とすること。
七 入居者が選定する日常生活上の支援に関するサービスの提供に要する費用
イ 人件費、事務費等(前号の基本サービス費に係るものを除く。)に相当する金額とすること。
ロ 日常生活支援住居施設として受領する委託費を除くこと。
(サービス提供の方針)
第十七条 無料低額宿泊所は、入居者の健康保持に努めるほか、当該入居者が安心して生き生きと明るく生活できるよう、その心身の状況や希望に応じたサービスの提供を行うとともに、生きがいをもって生活できるようにするための機会を適切に提供しなければならない。
2 無料低額宿泊所は、入居者にとって当該無料低額宿泊所全体が一つの住居であることに鑑み、入居者が共用部分を円滑に使用できるよう配慮した運営を行わなければならない。
3 無料低額宿泊所は、プライバシーの確保に配慮した運営を行わなければならない。
4 無料低額宿泊所の職員は、入居者に対するサービスの提供に当たっては、懇切丁寧に行うことを旨とし、当該入居者に対し、サービスの提供を行う上で必要な事項について、理解しやすいように説明を行わなければならない。
(食事)
第十八条 無料低額宿泊所は、入居者に食事を提供する場合、量及び栄養並びに当該入居者の心身の状況及び嗜し好を考慮した食事を、適切な時間に提供しなければならない。
(入浴)
第十九条 無料低額宿泊所は、入居者に対し一日に一回の頻度で入浴の機会を提供しなければならない。ただし、やむを得ない事情があるときは、あらかじめ、当該入居者に対し当該事情の説明を行うことにより、一週間に三回以上の頻度とすることができる。
(状況把握)
第二十条 無料低額宿泊所は、原則として一日に一回以上、入居者に対し居室への訪問等の方法による状況把握を行わなければならない。
(施設長の責務)
第二十一条 施設長は、無料低額宿泊所の職員の管理、入退居に係る調整、業務の実施状況の把握その他の管理を一元的に行わなければならない。
2 施設長は、職員にこの章の規定を遵守させるために必要な指揮命令を行うものとする。
(職員の責務)
第二十二条 無料低額宿泊所の職員は、入居者からの相談に応じるとともに、適切な助言及び必要な支援を行わなければならない。
(勤務体制の確保等)
第二十三条 無料低額宿泊所は、入居者に対し、適切なサービスを提供できるよう、職員の勤務体制を整備しておかなければならない。
2 無料低額宿泊所は、職員に対し、その資質の向上のための研修の機会を確保しなければならない。
3 無料低額宿泊所は、職員の処遇について、労働に関する法令の規定を遵守するとともに、職員の待遇の向上に努めなければならない。
(定員の遵守)
第二十四条 無料低額宿泊所は、入居定員及び居室の定員を超えて入居させてはならない。ただし、災害その他のやむを得ない事情がある場合は、この限りでない。
(衛生管理等)
第二十五条 無料低額宿泊所は、入居者の使用する設備、食器等又は飲用に供する水について、衛生的な管理に努め、又は衛生上必要な措置を講じなければならない。
2 無料低額宿泊所は、当該無料低額宿泊所において感染症、食中毒又は害虫が発生し、又はまん延しないように必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
(日常生活に係る金銭管理)
第二十六条 入居者の金銭の管理は当該入居者本人が行うことを原則とする。ただし、金銭の適切な管理を行うことに支障がある入居者であって、無料低額宿泊所による金銭の管理を希望するものに対し、次に掲げるところにより無料低額宿泊所が、日常生活に係る金銭を管理することを妨げない。
一 成年後見制度その他の金銭の管理に係る制度をできる限り活用すること。
二 無料低額宿泊所が管理する金銭は、当該入居者に係る金銭及びこれに準ずるもの(これらの運用により生じた収益を含む。以下この条において「金銭等」という。)であって、日常生活を営むために必要な金額に限ること。
三 金銭等を無料低額宿泊所が有する他の財産と区分すること。
四 金銭等は当該入居者の意思を尊重して管理すること。
五 第十四条第一項に規定する契約とは別に、当該入居者の日常生活に係る金銭等の管理に係る事項のみを内容とする契約を締結すること。
六 金銭等の出納を行う場合は、無料低額宿泊所の職員が二人以上で確認を行う等の適切な体制を整備すること。
七 入居者ごとに金銭等の収支の状況を明らかにする帳簿を整備するとともに、収支の記録について定期的に入居者本人に報告を行うこと。
八 当該入居者が退居する場合には、速やかに、管理する金銭等を当該入居者に返還すること。
九 金銭等の詳細な管理方法、入居者本人に対する収支の記録の報告方法等について管理規程を定めること。
十 前号の管理規程を定め、又は変更したときは、都道府県(指定都市及び中核市にあっては、指定都市又は中核市。以下この条において同じ。)に届け出ること。
十一 当該入居者が被保護者である場合は、当該入居者の金銭等の管理に係る契約の締結時又は変更時には、福祉事務所にその旨の報告を行うこと。
十二 金銭等の管理の状況について、都道府県の求めに応じて速やかに報告できる体制を整えておくこと。
(掲示及び公表)
第二十七条 無料低額宿泊所は、入居者の見やすい場所に、運営規程の概要、職員の勤務の体制その他入居者のサービスの選択に資すると認められる事項を掲示しなければならない。
2 無料低額宿泊所は、運営規程を公表するとともに、毎会計年度終了後三月以内に、貸借対照表、損益計算書等の収支の状況に係る書類を公表しなければならない。
(秘密保持等)
第二十八条 無料低額宿泊所の職員は、正当な理由がなく、その業務上知り得た入居者の秘密を漏らしてはならない。
2 無料低額宿泊所は、当該無料低額宿泊所の職員であった者が、正当な理由がなく、その業務上知り得た入居者の秘密を漏らすことがないよう、必要な措置を講じなければならない。
(広告)
第二十九条 無料低額宿泊所は、当該無料低額宿泊所について広告をする場合は、その内容が虚偽又は誇大なものであってはならない。
(苦情への対応)
第三十条 無料低額宿泊所は、その提供したサービスに関する入居者の苦情に迅速かつ適切に対応するために、苦情を受け付けるための窓口の設置その他の必要な措置を講じなければならない。
2 無料低額宿泊所は、前項の苦情を受け付けた場合は、当該苦情の内容等を記録しなければならない。
3 無料低額宿泊所は、その提供したサービスに関し、都道府県(指定都市及び中核市にあっては、指定都市又は中核市。以下この条において同じ。)から指導又は助言を受けた場合は、当該指導又は助言に従って必要な改善を行わなければならない。
4 無料低額宿泊所は、都道府県からの求めがあった場合には、前項の改善の内容を都道府県に報告しなければならない。
5 無料低額宿泊所は、法第八十三条に規定する運営適正化委員会が行う法第八十五条第一項の規定による調査にできる限り協力しなければならない。
(事故発生時の対応)
第三十一条 無料低額宿泊所は、入居者に対するサービスの提供により事故が発生した場合は、速やかに都道府県(指定都市及び中核市にあっては、指定都市又は中核市)、当該入居者の家族等に連絡を行うとともに、必要な措置を講じなければならない。
2 無料低額宿泊所は、前項の事故の状況及び事故に際して採った処置について記録しなければならない。
3 無料低額宿泊所は、入居者に対するサービスの提供により賠償すべき事故が発生した場合は、損害賠償を速やかに行わなければならない。
(サテライト型住居に係る設備の基準等の規定の適用)
第三十二条 第十二条第三項から第五項までの規定は、サテライト型住居ごとに適用する。
附 則
(施行期日)
第一条 この省令は、令和二年四月一日から施行する。ただし、第一条第四号(第十一条第一項(利用期間に係る部分を除く。)に係る部分に限る。)及び第五号(第十一条第一項(利用期間に係る部分に限る。)から第五項まで及び第三十二条に係る部分に限る。)、第十一条並びに第三十二条の規定は、令和四年四月一日から施行する。
(居室に関する経過措置)
第二条 この省令(前条ただし書の規定を除く。以下同じ。)の施行の際現に生活困窮者等の自立を促進するための生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律(平成三十年法律第四十四号)第五条の規定による改正前の法第六十九条第一項の規定による届出がなされている無料低額宿泊所が、事業の用に供している建物(基本的な設備が完成しているものを含み、この省令の施行の後に増築され、又は全面的に改築された部分を除く。)について第十二条第六項第一号イ及びニからヘまでの規定は、この省令の施行後三年間は、適用しない。
第三条 この省令の施行の際現に生活困窮者等の自立を促進するための生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律第五条の規定による改正前の法第六十九条第一項の規定による届出がなされている無料低額宿泊所が、平成二十七年六月三十日において事業の用に供していた建物(基本的な設備が完成しているものを含み、平成二十七年七月一日以降に増築され、又は全面的に改築された部分を除く。)の居室のうち、第十二条第六項第一号ハに規定する基準を満たさないものについては、同号ハの規定にかかわらず、当分の間、次に掲げる事項を満たすことを条件として、無料低額宿泊所としての利用に供することができる。
一 居室の床面積が、収納設備等を除き、三・三平方メートル以上であること。
二 入居予定者に対し、あらかじめ、居室の床面積が第十二条第六項第一号ハに規定する基準を満たさないことを記した文書を交付して説明を行い、同意を得ること。
三 入居者の寝具及び身の回り品を各人別に収納することができる収納設備を設けること。
四 第十二条第五項第一号の規定にかかわらず、共用室を設けること。
五 居室の床面積の改善についての計画を、都道府県(指定都市及び中核市にあっては、指定都市又は中核市。以下この条において同じ。)と協議の上作成すること。
六 前号の規定により作成した計画を都道府県に提出するとともに、段階的かつ計画的に第十二条第六項第一号ハに規定する基準を満たすよう必要な改善を行うこと。
2 前項の建物については、同項第五号の規定による必要な改善が図られない限り、新たな居室の増築はできない。
(条例の制定に係る経過措置)
第四条 この省令の施行の日から起算して一年を超えない期間内において、法第六十八条の五第一項の規定に基づく都道府県(指定都市及び中核市にあっては、指定都市又は中核市。以下この条において同じ。)の条例が制定施行されるまでの間は、この省令に規定する基準は、当該都道府県が法第六十八条の五第一項の規定に基づき条例で定める基準とみなす。