(汚染土壌の搬出時の届出及び計画変更命令)
第十六条 要措置区域又は形質変更時要届出区域(以下「要措置区域等」という。)内の土地の土壌(指定調査機関が環境省令で定める方法により調査した結果、特定有害物質による汚染状態が第六条第一項第一号の環境省
令で定める
基準に適合すると都道府県知事が認めたものを除く。以下「汚染土壌」という。)を当該要措置区域等外へ搬出しようとする者(その委託を受けて当該汚染土壌の運搬のみを行おうとする者を除く。)は、当該汚染土壌の搬出に着手する日の十四日前までに、環境省令で定めるところにより、次に掲げる事項を都道府県知事に届け出なければならない。ただし、非常災害のために必要な応急措置として当該搬出を行う場合及び汚染土壌を試験研究の用に供するために当該搬出を行う場合は、この限りでない。
五 当該汚染土壌を処理する場合にあっては、当該汚染土壌を処理する者の氏名又は名称
六 当該汚染土壌を処理する場合にあっては、当該汚染土壌を処理する施設の所在地
七 当該汚染土壌を第十八条第一項第二号に規定する土地の形質の変更に使用する場合にあっては、当該土地の形質の変更をする形質変更時要届出区域の所在地
八 当該汚染土壌を第十八条第一項第三号に規定する土地の形質の変更に使用する場合にあっては、当該土地の形質の変更をする要措置区域等の所在地
2 前項の規定による届出をした者は、その届出に係る事項を変更しようとするときは、その届出に係る行為に着手する日の十四日前までに、環境省令で定めるところにより、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
3 非常災害のために必要な応急措置として汚染土壌を当該要措置区域等外へ搬出した者は、当該汚染土壌を搬出した日から起算して十四日以内に、環境省令で定めるところにより、都道府県知事にその旨を届け出なければならない。
4 都道府県知事は、第一項又は第二項の届出があった場合において、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、その届出を受けた日から十四日以内に限り、その届出をした者に対し、当該各号に定める措置を講ずべきことを命ずることができる。
一 運搬の方法が次条の環境省
令で定める汚染土壌の運搬に関する
基準に違反している場合 当該汚染土壌の運搬の方法を変更すること。
二 第十八条第一項の規定に違反して当該汚染土壌の処理を第二十二条第一項の許可を受けた者(以下「汚染土壌処理業者」という。)に委託しない場合 当該汚染土壌の処理を汚染土壌処理業者に委託すること。
(汚染土壌の処理の委託)
第十八条 汚染土壌を当該要措置区域等外へ搬出する者(その委託を受けて当該汚染土壌の運搬のみを行う者を除く。)は、当該汚染土壌の処理を汚染土壌処理業者に委託しなければならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。
一 汚染土壌を当該要措置区域等外へ搬出する者が汚染土壌処理業者であって当該汚染土壌を自ら処理する場合
二 自然由来等形質変更時要届出区域内の自然由来等土壌を、次のいずれにも該当する他の自然由来等形質変更時要届出区域内の土地の形質の変更に自ら使用し、又は他人に使用させるために搬出を行う場合
イ 当該自然由来等形質変更時要届出区域と土壌の特定有害物質による汚染の状況が同様であるとして環境省令に定める
基準に該当する自然由来等形質変更時要届出区域
ロ 当該自然由来等土壌があった土地の地質と同じであるとして環境省令に定める
基準に該当する自然由来等形質変更時要届出区域
三 一の土壌汚染状況調査の結果に基づき指定された複数の要措置区域等の間において、一の要措置区域から搬出された汚染土壌を他の要措置区域内の土地の形質の変更に、又は一の形質変更時要届出区域から搬出された汚染土壌を他の形質変更時要届出区域内の土地の形質の変更に自ら使用し、又は他人に使用させるために搬出を行う場合
四 非常災害のために必要な応急措置として当該搬出を行う場合
五 汚染土壌を試験研究の用に供するために当該搬出を行う場合
2 前項第二号の「自然由来等形質変更時要届出区域」とは、形質変更時要届出区域のうち、土壌汚染状況調査の結果、当該土地の土壌の特定有害物質による汚染が専ら自然又は専ら当該土地の造成に係る水面埋立てに用いられた土砂に由来するものとして、環境省令で定める要件に該当する土地の区域をいい、同号の「自然由来等土壌」とは、当該区域内の汚染土壌をいう。
3 第一項本文の規定は、非常災害のために必要な応急措置として汚染土壌を当該要措置区域等外へ搬出した者について準用する。ただし、当該搬出をした者が汚染土壌処理業者であって当該汚染土壌を自ら処理する場合は、この限りでない。
(措置命令)
第十九条 都道府県知事は、次の各号のいずれかに該当する場合において、汚染土壌の特定有害物質による汚染の拡散の防止のため必要があると認めるときは、当該各号に定める者に対し、相当の期限を定めて、当該汚染土壌の適正な運搬及び処理のための措置その他必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。
一 第十七条の規定に違反して当該汚染土壌を運搬した場合 当該運搬を行った者
二 前条第一項(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定に違反して当該汚染土壌の処理を汚染土壌処理業者に委託しなかった場合 当該汚染土壌を当該要措置区域等外へ搬出した者(その委託を受けて当該汚染土壌の運搬のみを行った者を除く。)
(管理票)
第二十条 汚染土壌を当該要措置区域等外へ搬出する者は、その汚染土壌の運搬又は処理を他人に委託する場合には、環境省令で定めるところにより、当該委託に係る汚染土壌の引渡しと同時に当該汚染土壌の運搬を受託した者(当該委託が汚染土壌の処理のみに係るものである場合にあっては、その処理を受託した者)に対し、当該委託に係る汚染土壌の特定有害物質による汚染状態及び体積、運搬又は処理を受託した者の氏名又は名称その他環境省令で定める事項を記載した管理票を交付しなければならない。ただし、非常災害のために必要な応急措置として当該搬出を行う場合及び汚染土壌を試験研究の用に供するために当該搬出を行う場合は、この限りでない。
2 前項本文の規定は、非常災害のために必要な応急措置として汚染土壌を当該要措置区域等外へ搬出した者について準用する。
3 汚染土壌の運搬を受託した者(以下「運搬受託者」という。)は、当該運搬を終了したときは、第一項(前項において準用する場合を含む。以下この項及び次項において同じ。)の規定により交付された管理票に環境省令で定める事項を記載し、環境省令で定める期間内に、第一項の規定により管理票を交付した者(以下この条において「管理票交付者」という。)に当該管理票の写しを送付しなければならない。この場合において、当該汚染土壌について処理を委託された者があるときは、当該処理を委託された者に管理票を回付しなければならない。
4 汚染土壌の処理を受託した者(以下「処理受託者」という。)は、当該処理を終了したときは、第一項の規定により交付された管理票又は前項後段の規定により回付された管理票に環境省令で定める事項を記載し、環境省令で定める期間内に、当該処理を委託した管理票交付者に当該管理票の写しを送付しなければならない。この場合において、当該管理票が同項後段の規定により回付されたものであるときは、当該回付をした者にも当該管理票の写しを送付しなければならない。
5 管理票交付者は、前二項の規定による管理票の写しの送付を受けたときは、当該運搬又は処理が終了したことを当該管理票の写しにより確認し、かつ、当該管理票の写しを当該送付を受けた日から環境省
令で定める期間保存しなければならない。
6 管理票交付者は、環境省令で定める期間内に、第三項又は第四項の規定による管理票の写しの送付を受けないとき、又はこれらの規定に規定する事項が記載されていない管理票の写し若しくは虚偽の記載のある管理票の写しの送付を受けたときは、速やかに当該委託に係る汚染土壌の運搬又は処理の状況を把握し、その結果を都道府県知事に届け出なければならない。
7 運搬受託者は、第三項前段の規定により管理票の写しを送付したとき(同項後段の規定により管理票を回付したときを除く。)は当該管理票を当該送付の日から、第四項後段の規定による管理票の写しの送付を受けたときは当該管理票の写しを当該送付を受けた日から、それぞれ環境省令で定める期間保存しなければならない。
8 処理受託者は、第四項前段の規定により管理票の写しを送付したときは、当該管理票を当該送付の日から環境省
令で定める期間保存しなければならない。
9 前各項の規定は、汚染土壌を他人に第十八条第一項第二号又は第三号に規定する土地の形質の変更に使用させる場合について準用する。この場合において、第一項中「(当該委託が汚染土壌の処理のみに係るものである場合にあっては、その処理を受託した者)」とあるのは「(運搬を委託しない場合にあっては、当該汚染土壌を土地の形質の変更に使用する者)」と、「運搬又は処理を受託した者」とあるのは「運搬を受託した者又は土地の形質の変更に使用する者」と、第三項中「処理を委託された者」とあるのは「土地の形質の変更に使用する者」と、第四項中「の処理を受託した者(以下「処理受託者」という。)」とあるのは「を土地の形質の変更に使用する者(以下「土壌使用者」という。)」と、「処理を終了した」とあるのは「土地の形質の変更をした」と、「処理を委託した」とあるのは「土地の形質の変更に使用させた」と、第五項中「運搬又は処理が終了した」とあるのは「運搬が終了し、又は土地の形質の変更が行われた」と、第六項中「委託に係る汚染土壌の運搬又は処理」とあるのは「運搬又は土地の形質の変更」と、前項中「処理受託者」とあるのは「土壌使用者」と読み替えるものとする。
(虚偽の管理票の交付等の禁止)
第二十一条 何人も、汚染土壌の運搬を受託していないにもかかわらず、前条第三項(同条第九項において準用する場合を含む。)に規定する事項について虚偽の記載をして管理票を交付してはならない。
2 何人も、汚染土壌の処理を受託していない又は汚染土壌を土地の形質の変更に使用しないにもかかわらず、前条第四項(同条第九項において準用する場合を含む。)に規定する事項について虚偽の記載をして管理票を交付してはならない。
3 運搬受託者、処理受託者又は汚染土壌を第十八条第一項第二号若しくは第三号に規定する土地の形質の変更に使用する者は、受託した汚染土壌の運搬若しくは処理を終了していない又は汚染土壌を土地の形質の変更に使用していないにもかかわらず、前条第三項又は第四項(これらの規定を同条第九項において準用する場合を含む。)の送付をしてはならない。