平成二十年文部科学省令第十号
免許状更新講習規則
教育職員免許法(昭和二十四年法律第百四十七号)第九条の三第一項、同項第一号、第二号ロ及び第四号、同条第三項第一号及び第二号並びに同条第六項の規定に基づき、免許状更新講習規則を次のように定める。
(講習開設者の資格)
第一条 教育職員免許法(昭和二十四年法律第百四十七号。以下「免許法」という。)第九条の三第一項各号列記以外の部分に規定する文部科学省令で定める者は、次に掲げる者とする。
 免許法第五条第一項に規定する養護教諭養成機関、免許法別表第一備考第二号の三及び第三号に規定する教員養成機関、免許法別表第二の二備考第二号に規定する栄養教諭の教員養成機関並びに教育職員免許法施行規則(昭和二十九年文部省令第二十六号。第九条第一項第一号において「免許法施行規則」という。)第六十四条第一項の表の下欄及び同条第二項の表の第四欄に規定する特別支援学校の教員養成機関
 都道府県又は地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市若しくは同法第二百五十二条の二十二第一項の中核市の教育委員会
 国立大学法人法(平成十五年法律第百十二号)第二条第四項に規定する大学共同利用機関
 前三号に掲げる者のほか、文部科学大臣が指定する者
(認定の申請)
第二条 大学又は前条各号に掲げる者が、開設しようとする講習について、免許法第九条の三第一項の規定による文部科学大臣の認定を受けようとするときは、講習開始二月前までに、当該講習に関し次に掲げる事項を記載した申請書を文部科学大臣に提出しなければならない。
 講習の名称
 会場
 期間
 受講予定人員及び受講対象者
 講習の内容及び時間
 講師の氏名、主要職歴及び担当講習
 修了の認定(免許法第九条の三第一項第三号に規定する修了の認定をいう。以下次号及び第六条において「修了認定」という。)の時期
 修了認定の方法
 その他開設しようとする者において必要と認める事項
(変更の届出)
第三条 免許状更新講習の開設者が、前条第三号から第八号までに掲げる事項を変更しようとするときは、文部科学大臣に届け出なければならない。
(講習の内容)
第四条 免許法第九条の三第一項第一号に規定する文部科学省令で定める事項は、次の表の上欄に掲げる領域に応じ、それぞれ同表の中欄に掲げる事項とし、同条第二項に規定する免許状更新講習の時間の内訳は、同表の下欄に掲げる時間とする。
領域
事項
時間
必修領域
イ 国の教育政策や世界の教育の動向
ロ 教員としての子ども観、教育観等についての省察
ハ 子どもの発達に関する脳科学、心理学等における最新の知見(特別支援教育に関するものを含む。)
ニ 子どもの生活の変化を踏まえた課題
六時間以上
選択必修領域
イ 学校を巡る近年の状況の変化
ロ 学習指導要領の改訂の動向等
ハ 法令改正及び国の審議会の状況等
ニ 様々な問題に対する組織的対応の必要性
ホ 学校における危機管理上の課題
ヘ 免許法施行規則第二条第一項の表備考第五号に規定するカリキュラム・マネジメント
ト 育成を目指す資質・能力を育むための主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善
チ 教育相談(いじめ及び不登校への対応を含む。)
リ 進路指導及びキャリア教育
ヌ 学校、家庭及び地域の連携及び協働
ル 道徳教育
ヲ 英語教育
ワ 国際理解及び異文化理解教育
カ 教育の情報化(情報通信技術を活用した指導及び情報教育(情報モラルを含む。)等)
ヨ その他文部科学大臣が必要と認める内容
六時間以上
選択領域
幼児、児童又は生徒に対する教科指導及び生徒指導上の課題
十八時間以上
備考 必修領域とは、全ての受講者が受講する領域をいい、選択必修領域とは、受講者が所有する免許状の種類、勤務する学校の種類又は教育職員としての経験に応じ、選択して受講する領域をいい、選択領域とは、受講者が任意に選択して受講する領域をいう。
(講習の講師)
第五条 免許法第九条の三第一項第二号ロに規定する文部科学省令で定める者は、次に掲げる者とする。
 第一条第一号に掲げる者の職員であって、免許状授与の所要資格を得させるために必要な授業科目を担当している者
 大学又は大学共同利用機関の職員であって、前条の表の中欄に掲げる事項について教授し、又は研究に従事している者
 第一条第二号に掲げる者の職員であって、学校教育に関する専門的事項の指導等に関する事務に従事している者
 文部科学大臣が前三号に掲げる者に準ずる者として認める者
(修了認定の方法及び基準)
第六条 修了認定は試験による成績審査に合格した者に対して行うものとし、当該修了認定の基準は、第四条に規定する事項について基礎的な知識技能を有することとする。
(運営)
第七条 免許状更新講習の開設者は、適切な方法により、自ら実施する免許状更新講習の内容等に関する受講者の意向を把握し、当該意向を適切に反映するよう努めなければならない。
 免許状更新講習の開設者は、免許状更新講習を行った後、当該免許状更新講習の運営状況、効果等について評価を行い、その結果に基づき当該免許状更新講習の改善を図るために必要な措置を講ずることにより、その水準の向上に努めなければならない。
 免許状更新講習の開設者は、前項の評価を行った後、遅滞なく、当該評価の結果を文部科学大臣に報告するものとする。
(認定の取消)
第八条 免許状更新講習の開設者が、第三条から前条までの規定に違反したときは、文部科学大臣はその認定を取り消すことができる。
(講習を受講できる者)
第九条 免許法第九条の三第三項第一号に規定する文部科学省令で定める教育の職にある者は、次に掲げる者であって、普通免許状若しくは特別免許状を有する者、普通免許状に係る所要資格を得た者、教員資格認定試験に合格した者、免許法第十六条の三第二項若しくは第十七条第一項に規定する文部科学省令で定める資格を有する者又は教育職員免許法施行法(昭和二十四年法律第百四十八号)第二条の表の上欄各号に掲げる者とする。
 校長、副校長、教頭、実習助手、寄宿舎指導員、学校給食法(昭和二十九年法律第百六十号)第七条に規定する職員その他の学校給食の栄養に関する専門的事項をつかさどる職員のうち栄養の指導及び管理をつかさどる主幹教諭並びに栄養教諭以外の者並びに教育委員会の事務局において学校給食の適切な実施に係る指導を担当する者並びに免許法施行規則第六十九条の三に規定する幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校又は就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(平成十八年法律第七十七号)第二条第七項に規定する幼保連携型認定こども園(以下「幼保連携型認定こども園」という。)(次項第一号において「学校」という。)において専ら幼児、児童又は生徒の養護に従事する職員で常時勤務に服する者
 指導主事、社会教育主事その他教育委員会の事務局(地方教育行政の組織及び運営に関する法律(昭和三十一年法律第百六十二号)第二十三条第一項の条例の定めるところによりその長が同項第一号に掲げる事務を管理し、及び執行することとされた地方公共団体にあっては、当該事務を分掌する内部部局を含む。)において学校教育又は社会教育に関する専門的事項の指導等に関する事務に従事している者として免許管理者が定める者
 国若しくは地方公共団体の職員又は次に掲げる法人の役員若しくは職員で、前号に掲げる者に準ずる者として免許管理者が定める者
 国立大学法人法第二条第一項に規定する国立大学法人及び同条第三項に規定する大学共同利用機関法人
 地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第六十八条第一項に規定する公立大学法人
 私立学校法(昭和二十四年法律第二百七十号)第三条に規定する学校法人
 社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)第二十二条に規定する社会福祉法人(幼保連携型認定こども園を設置するものに限る。)
 独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人であって、文部科学大臣が指定したもの
 前三号に掲げる者のほか、文部科学大臣が別に定める者
 免許法第九条の三第三項第二号に規定する文部科学省令で定める者は、次に掲げる者であって、普通免許状若しくは特別免許状を有する者、普通免許状に係る所要資格を得た者、教員資格認定試験に合格した者、免許法第十六条の三第二項若しくは第十七条第一項に規定する文部科学省令で定める資格を有する者又は教育職員免許法施行法第二条の表の上欄各号に掲げる者とする。
 学校の校長、副校長、教頭又は教育職員であった者であって、教育職員となることを希望する者(前項第一号から第三号までに該当する者を除く。)
 次に掲げる施設に勤務する保育士(国家戦略特別区域法(平成二十五年法律第百七号)第十二条の四第五項に規定する事業実施区域内にある施設にあっては、保育士又は当該事業実施区域に係る国家戦略特別区域限定保育士)
 就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律第二条第六項に規定する認定こども園(幼保連携型認定こども園を除く。)
 児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第三十九条第一項に規定する保育所
 児童福祉法第五十九条第一項に規定する施設のうち同法第三十九条第一項に規定する業務を目的とするもの(幼稚園を設置する者が設置するものに限る。)
 教育職員に任命され、又は雇用されることが見込まれる者
(文部科学大臣による免許状更新講習の実施)
第十条 文部科学大臣は、免許法第九条の三第一項の認定を受けた者がいないとき、免許状更新講習の開設者が天災その他の事由により免許状更新講習に関する事務の全部又は一部を実施することが困難となったときその他必要があると認めるときは、免許状更新講習に関する事務の全部又は一部を自ら行うことができる。
附 則
 この省令は、平成二十一年四月一日から施行する。
 第二条の規定の適用については、当分の間、同条中「二月」とあるのは「三月」とする。
 免許法附則第八項ただし書若しくは第十二項ただし書に規定する者又は教育職員免許法の一部を改正する法律(昭和二十九年法律第百五十八号。次項において「改正法」という。)附則第十項ただし書に規定する者であって、第九条第一項各号に該当する者は、当分の間、第九条第一項の規定にかかわらず、免許法第九条の三第三項第一号に規定する文部科学省令で定める教育の職にある者とする。
 免許法附則第八項ただし書若しくは第十二項ただし書に規定する者又は改正法附則第十項ただし書に規定する者であって、第九条第二項各号に該当する者は、当分の間、第九条第二項の規定にかかわらず、免許法第九条の三第三項第二号に規定する文部科学省令で定める者とする。
附 則 (平成二〇年一一月一二日文部科学省令第三四号) 抄
(施行期日)
第一条 この省令は、平成二十一年四月一日から施行する。
附 則 (平成二一年三月三一日文部科学省令第一〇号)
この省令は、平成二十一年四月一日から施行する。
附 則 (平成二三年一〇月一九日文部科学省令第三六号)
この省令は、平成二十四年四月一日から施行する。
附 則 (平成二五年八月八日文部科学省令第二三号)
この省令は、公布の日から施行する。
附 則 (平成二六年九月二六日文部科学省令第二九号)
 この省令は、平成二十八年四月一日から施行する。ただし、第九条の改正規定は、子ども・子育て支援法(平成二十四年法律第六十五号)の施行の日から施行する。
 この省令による改正前の免許状更新講習規則(以下「旧省令」という。)第四条第一項第一号の事項について履修認定を受けた者は、この省令による改正後の免許状更新講習規則(以下「新省令」という。)第四条の表必修領域の項及び選択必修領域の項に掲げる事項について履修認定を受けた者とみなす。
 旧省令第四条第一項第二号の事項について履修認定を受けた者は、新省令第四条の表選択領域の項に掲げる事項について履修認定を受けた者とみなす。
附 則 (平成二八年三月三一日文部科学省令第二〇号)
この省令は、平成二十八年四月一日から施行する。
附 則 (平成二九年一一月一七日文部科学省令第四一号) 抄
(施行期日)
 この省令は、平成三十一年四月一日から施行する。ただし、第一条の規定(教育職員免許法施行規則第十条の六第一項及び第三項の改正規定並びに同令第十二条の改正規定に限る。)及び第二条の規定(免許状更新講習規則第六条の改正規定に限る。)は公布の日から施行する。
附 則 (令和元年六月七日文部科学省令第三号)
この省令は、公布の日から施行する。
附 則 (令和三年八月四日文部科学省令第三五号) 抄
 この省令は、令和四年四月一日から施行する。
附 則 (令和四年六月二一日文部科学省令第二二号) 抄
(施行期日)
第一条 この省令は、令和四年七月一日から施行する。
(免許状更新講習の評価及び当該評価に関する報告についての経過措置)
第二条 この省令の施行前に行われた免許状更新講習に係る第五条の規定による廃止前の免許状更新講習規則第七条第二項に規定する運営状況、効果等についての評価及び同条第三項に規定する当該評価結果の文部科学大臣への報告については、なお従前の例による。