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(平成二十五年法律第百一号)
施行日: 平成三十年十一月十六日
最終更新: 平成三十年七月十三日公布(平成三十年法律第七十二号)改正 法令ごとに表示される「最終更新」とは?
農地中間管理事業の推進に関する法律
平成二十五年法律第百一号
農地中間管理事業の推進に関する法律
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、農地中間管理事業について、農地中間管理機構の指定その他これを推進するための措置等を定めることにより、農業経営の規模の拡大、耕作の事業に供される農用地の集団化、農業への新たに農業経営を営もうとする者の参入の促進等による農用地の利用の効率化及び高度化の促進を図り、もって農業の生産性の向上に資することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「農用地」とは、農地(耕作(農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第四十三条第一項の規定により耕作に該当するものとみなされる農作物の栽培を含む。以下同じ。)の目的に供される土地をいう。以下この項において同じ。)及び農地以外の土地で主として耕作又は養畜の事業のための採草又は家畜の放牧の目的に供されるものをいう。
2 この法律において「農用地等」とは、次に掲げる土地をいう。
一 農用地
二 木竹の生育に供され、併せて耕作又は養畜の事業のための採草又は家畜の放牧の目的に供される土地
三 農業用施設の用に供される土地(第一号に掲げる土地を除く。)
3 この法律において「農地中間管理事業」とは、農用地の利用の効率化及び高度化を促進するため、都道府県の区域(農業振興地域の整備に関する法律(昭和四十四年法律第五十八号)第六条第一項の規定により指定された農業振興地域の区域内に限る。)を事業実施地域として次に掲げる業務を行う事業であって、この法律で定めるところにより、農地中間管理機構が行うものをいう。
一 農用地等について農地中間管理権を取得すること。
二 農地中間管理権を有する農用地等の貸付け(貸付けの相手方の変更を含む。第十八条第七項において同じ。)を行うこと。
三 農地中間管理権を有する農用地等の改良、造成又は復旧、農業用施設の整備その他当該農用地等の利用条件の改善を図るための業務を行うこと。
四 農地中間管理権を有する農用地等の貸付けを行うまでの間、当該農用地等の管理(当該農用地等を利用して行う農業経営を含む。)を行うこと。
五 前各号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
4 この法律において「農地中間管理機構」とは、第四条の規定による指定を受けた者をいう。
5 この法律において「農地中間管理権」とは、農用地等について、次章第三節で定めるところにより貸し付けることを目的として、農地中間管理機構が取得する次に掲げる権利をいう。
一 賃借権又は使用貸借による権利
二 所有権(農用地等を貸付けの方法により運用することを目的とする信託(第二十七条第一項において「農地貸付信託」という。)の引受けにより取得するものに限る。)
三 農地法第四十一条第一項に規定する利用権
第二章 農地中間管理事業の推進
第一節 農地中間管理事業の推進に関する基本方針
第三条 都道府県知事は、政令で定めるところにより、農地中間管理事業の推進に関する基本方針(以下「基本方針」という。)を定めるものとする。
2 基本方針においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 効率的かつ安定的な農業経営を営む者が利用する農用地の面積の目標その他農地中間管理事業の推進により達成しようとする農用地の利用の効率化及び高度化の促進に関する目標
二 農地中間管理事業の推進に関する基本的な方向
三 第一号の目標を達成するために必要な次に掲げる事項
イ 農地中間管理事業の実施方法に関する基本的な事項
ロ 農地中間管理事業に関する啓発普及その他農地中間管理事業を推進するための施策に関する事項
ハ 地方公共団体、農地中間管理機構並びに株式会社日本政策金融公庫又は沖縄振興開発金融公庫及び株式会社農林漁業成長産業化支援機構(第二十三条及び第二十四条において「公庫等」という。)の連携及び協力に関する事項
四 その他農地中間管理事業の推進に関し必要な事項
3 基本方針は、農業経営基盤強化促進法(昭和五十五年法律第六十五号)第五条第一項に規定する基本方針に適合するとともに、農業振興地域整備計画その他法律の規定による地域の農業の振興に関する計画との調和が保たれたものでなければならない。
4 都道府県知事は、情勢の推移により必要が生じたときは、基本方針を変更するものとする。
5 都道府県知事は、基本方針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
第二節 農地中間管理機構
(農地中間管理機構の指定)
第四条 都道府県知事は、農用地の利用の効率化及び高度化の促進を図るための事業を行うことを目的とする一般社団法人又は一般財団法人(一般社団法人にあっては地方公共団体が総社員の議決権の過半数を有しているもの、一般財団法人にあっては地方公共団体が基本財産の額の過半を拠出しているものに限る。)であって、農地中間管理事業に関し、次に掲げる基準に適合すると認められるものを、その申請により、都道府県に一を限って、農地中間管理機構として指定することができる。
一 職員、業務の方法その他の事項についての農地中間管理事業に係る業務の実施に関する計画が適切なものであり、かつ、その計画を確実に遂行するに足りる経理的及び技術的な基礎を有すると認められること。
二 役員の過半数が、経営に関し実践的な能力を有する者であると認められること。
三 農地中間管理事業の運営が、公正に行われると認められること。
四 農地中間管理事業以外の事業を行っている場合には、その事業を行うことによって農地中間管理事業の公正な実施に支障を及ぼすおそれがないものであること。
五 その他農地中間管理事業を適正かつ確実に行うに足りるものとして農林水産省令で定める基準に適合するものであること。
(指定の公告等)
第五条 都道府県知事は、前条の規定による指定(以下この節において単に「指定」という。)をしたときは、当該指定を受けた農地中間管理機構の名称及び住所、農地中間管理事業を行う事務所の所在地並びに農地中間管理事業の開始の日を公告しなければならない。
2 農地中間管理機構は、その名称若しくは住所又は農地中間管理事業を行う事務所の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
3 都道府県知事は、前項の規定による届出があったときは、その旨を公告しなければならない。
(農地中間管理事業評価委員会の設置)
第六条 農地中間管理機構には、農地中間管理事業評価委員会を置かなければならない。
2 農地中間管理事業評価委員会は、農地中間管理事業の実施状況を評価し、これに関し必要と認める意見を農地中間管理機構の代表者に述べることができる。
3 農地中間管理事業評価委員会の委員は、農地中間管理事業に関し客観的かつ中立公正な判断をすることができる者のうちから、都道府県知事の認可を受けて農地中間管理機構の代表者が任命する。
(役員の選任及び解任)
第七条 農地中間管理機構の役員の選任及び解任は、都道府県知事の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2 都道府県知事は、農地中間管理機構の役員が次の各号のいずれかに該当するときは、農地中間管理機構に対し、当該役員を解任すべきことを命ずることができる。
一 この法律若しくはこの法律に基づく命令若しくはこれらに基づく処分又は次条第一項に規定する農地中間管理事業規程に違反する行為をしたとき。
二 農地中間管理事業に関し著しく不適当な行為をしたとき。
三 農地中間管理事業の実施状況が著しく不十分である場合において、当該役員に引き続きその職務を行わせることが不適当であると認められるとき。
(農地中間管理事業規程)
第八条 農地中間管理機構は、農地中間管理事業の開始前に、農地中間管理事業の実施に関する規程(以下「農地中間管理事業規程」という。)を定め、都道府県知事の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 農地中間管理事業規程においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 農地中間管理事業を重点的に実施する区域の基準
二 農地中間管理権を取得する農用地等の基準
三 農地中間管理権の取得の方法
四 第十八条第一項に規定する農用地利用配分計画の決定の方法
五 第二条第三項第三号に掲げる業務の実施基準
六 農地中間管理事業に関する相談又は苦情に応ずるための体制に関する事項
七 その他農地中間管理事業の実施方法に関して農林水産省令で定める事項
3 都道府県知事は、第一項の認可の申請があった場合において、当該申請に係る農地中間管理事業規程が次の各号のいずれにも適合していると認めるときは、その認可をしなければならない。
一 基本方針に適合し、かつ、農地中間管理事業の実施方法が適正かつ明確に定められていること。
二 前項第一号に掲げる事項が、農地中間管理事業が効率的かつ効果的に実施され、農用地の利用の効率化及び高度化を促進する効果が高いと見込まれるものであること。
三 前項第二号に掲げる事項が、農用地等として利用することが著しく困難であるものを対象に含まないことその他農用地等の形状又は性質に照らして適切と認められるものであり、かつ、第十七条第一項の規定による募集に応募した者の数、その応募の内容その他地域の事情を考慮して農地中間管理権を取得することを内容とするものであること。
四 前項第三号に掲げる事項が、次に掲げる事項を内容とするものであること。
イ 農用地等の所有者(当該農用地等について所有権以外の使用及び収益を目的とする権利を有する者を含む。以下この号において同じ。)からの申出に応じて農地中間管理権の取得に関する協議を行うほか、農用地の利用の効率化及び高度化の促進を図るために特に必要があると認められる場合に農地中間管理機構が農用地等の所有者に対し当該協議を申し入れること。
ロ 農地中間管理権の取得に当たって、農林水産省令で定めるところにより、あらかじめ、農用地等の所有者に対し、土地改良法(昭和二十四年法律第百九十五号)第八十七条の三第一項の規定による土地改良事業が行われることがあることについて説明すること。
五 前項第四号に掲げる事項が、次に掲げる事項を内容とするものであること。
イ 地域の農業の健全な発展を旨として、公平かつ適正に農用地等の貸付けの相手方の選定及びその変更を行うこと。
ロ 第十八条第一項に規定する農用地利用配分計画の決定に当たって、農林水産省令で定めるところにより、あらかじめ、農用地等の貸付けの相手方に対し、土地改良法第八十七条の三第一項の規定による土地改良事業が行われることがあることについて説明すること。
六 前項第五号に掲げる事項が、農用地等の貸付けが確実に行われると見込まれる場合に実施することを内容とするものであること。
七 特定の者に対し不当に差別的な取扱いをするものでないこと。
4 農地中間管理機構は、第一項の認可を受けたときは、その農地中間管理事業規程を公表しなければならない。
5 都道府県知事は、第一項の認可をした農地中間管理事業規程が農地中間管理事業の的確な実施上不適当となったと認めるときは、農地中間管理機構に対し、これを変更すべきことを命ずることができる。
(事業計画等)
第九条 農地中間管理機構は、事業年度ごとに、その事業年度の事業計画及び収支予算を作成し、毎事業年度開始前に(指定を受けた日の属する事業年度にあっては、その指定を受けた後遅滞なく)、都道府県知事の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 前項の事業計画においては、その事業年度における農地中間管理事業の目標その他農林水産省令で定める事項を定めるものとする。
3 農地中間管理機構は、第一項の認可を受けたときは、その事業計画及び収支予算を公表しなければならない。
4 農地中間管理機構は、事業年度ごとに、事業報告書、貸借対照表、収支決算書及び財産目録を作成し、第六条第二項の規定による農地中間管理事業評価委員会の意見を付して、毎事業年度経過後三月以内に、都道府県知事に提出するとともに、これらを公表しなければならない。
(区分経理)
第十条 農地中間管理機構は、農地中間管理事業以外の事業を行っている場合には、当該事業に係る経理と農地中間管理事業に係る経理とを区分して整理しなければならない。
(帳簿の記載)
第十一条 農地中間管理機構は、農地中間管理事業について、農林水産省令で定めるところにより、帳簿を備え、農林水産省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。
(財務及び会計に関し必要な事項の農林水産省令への委任)
第十二条 この節に定めるもののほか、農地中間管理機構が農地中間管理事業を行う場合における農地中間管理機構の財務及び会計に関し必要な事項は、農林水産省令で定める。
(監督命令)
第十三条 都道府県知事は、農地中間管理事業の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、農地中間管理機構に対し、農地中間管理事業に関し監督上必要な命令をすることができる。
(事業の休廃止)
第十四条 農地中間管理機構は、都道府県知事の認可を受けなければ、農地中間管理事業の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。
2 都道府県知事が前項の規定により農地中間管理事業の全部の廃止を認可したときは、当該農地中間管理機構に係る指定は、その効力を失う。
3 都道府県知事は、第一項の認可をしたときは、その旨を公告しなければならない。
(指定の取消し)
第十五条 都道府県知事は、農地中間管理機構が次の各号のいずれかに該当するときは、その指定を取り消すことができる。
一 農地中間管理事業を適正かつ確実に行うことができないと認められるとき。
二 不正な手段により指定を受けたとき。
三 この法律若しくはこの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反したとき。
四 第八条第一項の認可を受けた農地中間管理事業規程によらないで農地中間管理事業を行ったとき。
2 都道府県知事は、前項の規定により指定を取り消したときは、その旨を公告しなければならない。
(指定を取り消した場合における経過措置)
第十六条 前条第一項の規定により指定を取り消した場合において、都道府県知事がその取消し後に新たに農地中間管理機構の指定をしたときは、取消しに係る農地中間管理機構は、その農地中間管理事業の全部を、新たに指定を受けた農地中間管理機構に引き継がなければならない。
2 前項に定めるもののほか、前条第一項の規定により指定を取り消した場合における農地中間管理事業に関する所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、合理的に必要と判断される範囲内において、政令で定める。
第三節 農地中間管理事業の実施
(借受けを希望する者の募集等)
第十七条 農地中間管理機構は、農林水産省令で定めるところにより、定期的に、農林水産省令で定める基準に従い農地中間管理機構が定める区域ごとに、当該区域に存する農用地等について借受けを希望する者を募集するものとする。
2 農地中間管理機構は、農林水産省令で定めるところにより、前項の規定による募集に応募した者及びその応募の内容に関する情報を整理し、これを公表するものとする。
(農用地利用配分計画)
第十八条 農地中間管理機構は、農地中間管理権を有する農用地等について賃借権又は使用貸借による権利の設定又は移転(以下この条及び第二十一条第一項において「賃借権の設定等」という。)を行おうとするときは、農林水産省令で定めるところにより、農用地利用配分計画を定め、都道府県知事の認可を受けなければならない。
2 農用地利用配分計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 賃借権の設定等を受ける者の氏名又は名称及び住所
二 前号に規定する者が賃借権の設定等を受ける土地の所在、地番、地目及び面積
三 前号に規定する土地について現に農地中間管理機構から賃借権又は使用貸借による権利の設定を受けている者がある場合には、その者の氏名又は名称及び住所
四 第一号に規定する者が設定又は移転を受ける権利が賃借権又は使用貸借による権利のいずれであるかの別、当該権利の内容(土地の利用目的を含む。)、始期又は移転の時期、存続期間又は残存期間並びに当該権利が賃借権である場合にあっては借賃及びその支払の方法
五 第一号に規定する者が第二十一条第二項各号のいずれかに該当する場合に賃貸借又は使用貸借の解除をする旨の条件
六 その他農林水産省令で定める事項
3 都道府県知事は、第一項の認可の申請があったときは、農林水産省令で定めるところにより、その旨を公告し、当該農用地利用配分計画を当該公告の日から二週間公衆の縦覧に供しなければならない。この場合において、利害関係人は、当該縦覧期間満了の日までに、当該農用地利用配分計画について、都道府県知事に意見書を提出することができる。
4 都道府県知事は、第一項の認可の申請があった場合において、当該申請に係る農用地利用配分計画が次の各号のいずれにも該当すると認めるときは、その認可をしなければならない。
一 農用地利用配分計画の内容が、基本方針及び農地中間管理事業規程に適合するものであること。
二 第二項第一号に規定する者が、前条第二項の規定により公表されている者であること。
三 第二項第一号に規定する者が、賃借権の設定等を受けた後において、次に掲げる要件の全て(農地所有適格法人(農地法第二条第三項に規定する農地所有適格法人をいう。次号において同じ。)及び次号に規定する者にあっては、イに掲げる要件)を備えることとなること。ただし、農業協同組合法(昭和二十二年法律第百三十二号)第十一条の五十第一項第一号に掲げる場合において農業協同組合又は農業協同組合連合会が賃借権の設定等を受けるとき、その他政令で定める場合には、この限りでない。
イ 耕作又は養畜の事業に供すべき農用地の全てを効率的に利用して耕作又は養畜の事業を行うと認められること。
ロ 耕作又は養畜の事業に必要な農作業に常時従事すると認められること。
四 第二項第一号に規定する者が賃借権の設定等を受けた後において行う耕作又は養畜の事業に必要な農作業に常時従事すると認められない者(農地所有適格法人、農業協同組合、農業協同組合連合会その他政令で定める者を除く。)である場合には、次に掲げる要件の全てを備えること。
イ その者が地域の農業における他の農業者との適切な役割分担の下に継続的かつ安定的に農業経営を行うと見込まれること。
ロ その者が法人である場合には、その法人の業務執行役員等(農地法第三条第三項第三号に規定する業務執行役員等をいう。)のうち一人以上の者がその法人の行う耕作又は養畜の事業に常時従事すると認められること。
五 第二項第二号に規定する土地ごとに、同項第一号に規定する者(同項第三号に規定する者がある場合には、その者及び同項第一号に規定する者)の同意が得られていること。
5 都道府県知事は、第一項の認可をしたときは、農林水産省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を、関係農業委員会に通知するとともに、公告しなければならない。
6 前項の規定による公告があったときは、その公告があった農用地利用配分計画の定めるところによって賃借権又は使用貸借による権利が設定され、又は移転する。
7 農地中間管理機構は、この節で定めるところにより農地中間管理権(第二条第五項第一号に係るものに限る。)を有する農用地等の貸付けを行う場合には、民法(明治二十九年法律第八十九号)第五百九十四条第二項又は第六百十二条第一項の規定にかかわらず、貸主又は賃貸人の承諾を得ることを要しない。
(計画案の提出等の協力)
第十九条 農地中間管理機構は、農用地利用配分計画を定める場合には、市町村に対し、農用地等の保有及び利用に関する情報の提供その他必要な協力を求めるものとする。
2 農地中間管理機構は、前項の場合において必要があると認めるときは、市町村に対し、その区域に存する農用地等(農地中間管理機構が農地中間管理権を有するものに限る。)について、前条第一項及び第二項の規定の例により、同条第四項各号のいずれにも該当する農用地利用配分計画の案を作成し、農地中間管理機構に提出するよう求めることができる。
3 市町村は、前二項の規定による協力を行う場合において必要があると認めるときは、農業委員会の意見を聴くものとする。
(農地中間管理権の設定又は移転に係る契約等の解除)
第二十条 農地中間管理機構は、その有する農地中間管理権に係る農用地等が次の各号のいずれかに該当するときは、都道府県知事の承認を受けて、当該農地中間管理権の設定若しくは移転に係る契約又は農業経営基盤強化促進法第十九条の規定による公告があった農用地利用集積計画の定めるところによって設定若しくは移転された農地中間管理権に係る賃貸借若しくは使用貸借の解除をすることができる。
一 相当の期間を経過してもなお当該農用地等の貸付けを行うことができる見込みがないと認められるとき。
二 災害その他の事由により農用地等としての利用を継続することが著しく困難となったとき。
(農用地等の利用状況の報告等)
第二十一条 第十八条第五項の規定による公告があった農用地利用配分計画の定めるところにより賃借権の設定等を受けた者は、農林水産省令で定めるところにより、毎年、当該賃借権の設定等を受けた農用地等の利用の状況について、農地中間管理機構に報告しなければならない。
2 農地中間管理機構は、前項に規定する者が次の各号のいずれかに該当するときは、都道府県知事の承認を受けて、同項に規定する農用地等に係る賃貸借又は使用貸借の解除をすることができる。
一 当該農用地等を適正に利用していないと認めるとき。
二 正当な理由がなくて前項の規定による報告をしないとき。
(業務の委託)
第二十二条 農地中間管理機構は、農用地利用配分計画の決定その他農林水産省令で定める農地中間管理事業に係る業務を他の者に委託してはならない。
2 農地中間管理機構は、農地中間管理事業に係る業務(前項に規定する業務を除く。)の一部を他の者に委託しようとするときは、あらかじめ、都道府県知事の承認を受けなければならない。
3 前二項の規定は、第十九条第一項又は第二項の規定による協力の求めには、適用しない。
第四節 連携及び協力等
(地方公共団体との連携等)
第二十三条 農地中間管理機構は、地方公共団体及び公庫等と密接な連携の下に、その創意工夫を発揮して農地中間管理事業を積極的に実施しなければならない。
(事業への協力)
第二十四条 農業委員会等に関する法律(昭和二十六年法律第八十八号)第四十四条第一項に規定する機構、農業協同組合、農業協同組合連合会、土地改良区、都道府県土地改良事業団体連合会その他の農業に関する団体及び公庫等は、農地中間管理事業の実施に関し農地中間管理機構から必要な協力を求められた場合には、これに応ずるように努めるものとする。
(農林水産大臣による評価等)
第二十五条 農林水産大臣は、農地中間管理事業の実施状況について全国的な見地から評価を行い、その結果及び農地中間管理事業を効率的かつ効果的に実施している農地中間管理機構の取組に関する情報を公表することその他の方法により、農地中間管理事業の効率的かつ効果的な実施に向けた取組が促進されるように努めるものとする。
(農業者等による協議の場の設置等)
第二十六条 市町村は、当該市町村内の区域における農地中間管理事業の円滑な推進と地域との調和に配慮した農業の発展を図る観点から、当該市町村内の適切と認める区域ごとに、農林水産省令で定めるところにより、当該区域における農業において中心的な役割を果たすことが見込まれる農業者、当該区域における農業の将来の在り方及びそれに向けた農地中間管理事業の利用等に関する事項について、定期的に、農業者その他の当該区域の関係者による協議の場を設け、その協議の結果を取りまとめ、公表するものとする。
2 市町村は、前項の協議に当たっては、新たに就農しようとする者を含め、幅広く農業者等の参加を求めるよう努めるものとする。
第三章 雑則
(信託法の特例)
第二十七条 農地貸付信託の引受けを行う農地中間管理機構(以下「信託法人」という。)への農用地等の信託の委託者は、受益者となり、信託の利益の全部を享受する。
2 信託法人は、他の者と共同して信託の引受けをすることができない。
第二十八条 信託法人への信託については、信託法(平成十八年法律第百八号)に規定する裁判所の権限(次に掲げる裁判に関するものを除く。)は、都道府県知事に属する。
一 信託法第百六十六条第一項の規定による信託の終了を命ずる裁判、同法第百六十九条第一項の規定による保全処分を命ずる裁判及び同法第百七十三条第一項の規定による新受託者の選任の裁判
二 信託法第百八十条第一項の規定による鑑定人の選任の裁判
三 信託法第二百二十三条の規定による書類の提出を命ずる裁判
四 信託法第二百三十条第二項の規定による弁済の許可の裁判
第二十九条 信託法第三条(第二号及び第三号に係る部分に限る。)、第四条第二項及び第三項、第五条、第六条、第二十三条第二項から第四項まで、第五十五条、第七十九条から第九十一条まで、第九十三条から第九十八条まで、第百三条、第百四条、第百二十三条から第百三十条まで、第百四十六条から第百四十八条まで、第八章、第十章、第十一章、第二百六十七条から第二百六十九条まで並びに第二百七十条第二項及び第四項の規定は、信託法人への信託については、適用しない。
(報告徴収及び立入検査)
第三十条 都道府県知事は、農地中間管理事業の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、農地中間管理機構に対しその業務若しくは資産の状況に関し報告を求め、又はその職員に、農地中間管理機構の事務所に立ち入り、その業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
2 都道府県知事は、農地中間管理事業の適正な運営を確保するため特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、農地中間管理機構から農地中間管理事業に係る業務の委託を受けた者(以下この項及び次項において「業務受託者」という。)に対しその委託を受けた業務の状況に関し報告を求め、又はその職員に、業務受託者の営業所若しくは事務所に立ち入り、その委託を受けた業務に関し業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
3 業務受託者は、正当な理由があるときは、前項の規定による報告又は立入検査を拒むことができる。
4 第一項又は第二項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
5 第一項及び第二項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(農林水産大臣への通知)
第三十一条 都道府県知事は、次に掲げる場合は、遅滞なく、その旨を農林水産大臣に通知しなければならない。
一 第四条の規定による指定をしたとき。
二 第五条第二項の規定による届出があったとき。
三 第六条第三項、第七条第一項、第八条第一項、第九条第一項又は第十四条第一項の認可をしたとき。
四 第九条第四項に規定する書類の提出があったとき。
五 第十五条第一項の規定により第四条の規定による指定を取り消したとき。
(事務の区分)
第三十二条 第三条第一項、第四項及び第五項、第四条、第五条、第八条第一項及び第五項、第十三条、第十四条第一項及び第三項、第十五条、第十八条第一項、第三項及び第五項、第二十条、第二十一条第二項、第二十八条並びに第三十条第一項及び第二項の規定により都道府県が処理することとされている事務は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。
(農林水産省令への委任)
第三十三条 この法律に定めるもののほか、この法律の実施のため必要な事項は、農林水産省令で定める。
第四章 罰則
第三十四条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
一 第三十条第一項又は第二項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
二 第三十条第一項又は第二項の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同項の刑を科する。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 附則第八条の規定 公布の日
二 第二条第五項第三号の規定 農業の構造改革を推進するための農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する等の法律(平成二十五年法律第百二号)の施行の日
(検討)
第二条 政府は、この法律の施行後五年を目途として、農地中間管理事業及びこれに関連する事業に関し、その実施主体、これらの事業に対する国の財政措置の見直し(農地中間管理機構に対する賃料に係る助成の見直しを含む。)その他のこれらの事業の在り方全般について検討を加え、その結果に基づいて必要な法制上の措置その他の措置を講ずるものとする。
2 政府は、第二十六条第一項の協議の結果の取りまとめの状況等を踏まえ、同項に規定する協議の場に関し、そのより円滑な実施を図るための法制上の措置の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
(政令への委任)
第八条 この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附 則 (平成二七年九月四日法律第六三号)
(施行期日)
第一条 この法律は、平成二十八年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 附則第二十八条、第二十九条第一項及び第三項、第三十条から第四十条まで、第四十七条(都道府県農業会議及び全国農業会議所の役員に係る部分に限る。)、第五十条、第百九条並びに第百十五条の規定 公布の日(以下「公布日」という。)
(罰則に関する経過措置)
第百十四条 この法律の施行前にした行為並びにこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合及びこの附則の規定によりなおその効力を有することとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第百十五条 この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
附 則 (平成二九年五月二六日法律第三九号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第一条並びに次条及び附則第六条から第八条までの規定は、公布の日から施行する。
(農地中間管理事業の推進に関する法律の一部改正に伴う経過措置)
第六条 農地中間管理機構は、施行日までに、第四条の規定による改正後の農地中間管理事業の推進に関する法律(以下この条において「新農地中間管理事業法」という。)第八条の規定の例により、同条第三項第四号ロ及び第五号ロに掲げる事項を内容とする農地中間管理事業の推進に関する法律第八条第一項に規定する農地中間管理事業規程の変更に係る同項の認可を受けなければならない。この場合において、当該認可は、施行日において新農地中間管理事業法第八条の規定によりされたものとみなす。
(罰則に関する経過措置)
第七条 この法律(附則第一条ただし書に規定する規定については、当該規定)の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第八条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。