(流域水害対策計画の策定)
第四条 前条の規定により特定都市河川及び特定都市河川流域が指定されたときは、当該特定都市河川の河川管理者、当該特定都市河川流域の区域の全部又は一部をその区域に含む都道府県及び市町村の長並びに当該特定都市河川流域に係る特定都市下水道の下水道管理者(以下この条及び次条において「河川管理者等」という。)は、共同して、特定都市河川流域における浸水被害の防止を図るための対策に関する計画(以下「流域水害対策計画」という。)を定めなければならない。
2 流域水害対策計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 特定都市河川流域における浸水被害対策の基本方針
二 特定都市河川流域において都市洪水又は都市浸水の発生を防ぐべき目標となる降雨
四 特定都市河川流域において当該特定都市河川の河川管理者が行う雨水貯留浸透施設の整備に関する事項
五 下水道管理者が行う特定都市下水道の整備に関する事項(汚水のみを排除するためのものを除く。)
六 特定都市河川流域において河川管理者及び下水道管理者以外の者が行う浸水被害の防止を図るための雨水の一時的な貯留又は地下への浸透に関する事項
七 下水道管理者が管理する特定都市下水道のポンプ施設(河川に下水を放流するためのものに限る。)の操作に関する事項
八 浸水被害が発生した場合における被害の拡大を防止するための措置に関する事項
九 前各号に定めるもののほか、浸水被害の防止を図るために必要な措置に関する事項
3 河川管理者等は、第一項の規定により流域水害対策計画を定めようとするときは、あらかじめ、国土交通大臣に協議し、その同意を得なければならない。ただし、当該流域水害対策計画に係る特定都市河川の河川管理者が国土交通大臣である場合は、この限りでない。
4 河川管理者等は、流域水害対策計画を定めようとする場合において必要があると認めるときは、あらかじめ、河川及び下水道に関し学識経験を有する者の意見を聴かなければならない。
5 河川管理者等は、前項に規定する場合において必要があると認めるときは、あらかじめ、公聴会の開催等特定都市河川流域内の住民の意見を反映させるために必要な措置を講じなければならない。
6 河川管理者等は、流域水害対策計画のうち第二項第三号及び第四号に掲げる事項については、当該特定都市河川の河川管理者が作成する案に基づいて定めるものとする。
7 河川管理者等は、流域水害対策計画のうち第二項第五号に掲げる事項については、当該特定都市下水道の下水道管理者及び当該下水道管理者の管理する下水道の排水区域の全部又は一部をその区域に含む都道府県の知事が共同して作成する案に基づいて定めるものとする。ただし、当該排水区域の全部が一の市町村の区域内にある場合においては、当該下水道管理者が作成する案に基づいて定めるものとする。
8 河川管理者等は、流域水害対策計画を定めたときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、これを公表しなければならない。
9 第三項から前項までの規定は、流域水害対策計画の変更について準用する。
(流域水害対策計画の実施等)
第五条 河川管理者等は、流域水害対策計画を共同して作成した他の河川管理者等と連携を図りながら、当該流域水害対策計画に定められた浸水被害対策の基本方針に従い、雨水貯留浸透施設の整備、浸水被害対策に係る啓発その他浸水被害対策の実施に必要な措置を講ずるように努めなければならない。
2 特定都市河川流域内において居住し、又は事業を営む者は、当該特定都市河川流域における浸水被害の防止を図るための雨水の一時的な貯留又は地下への浸透に自ら努めるとともに、河川管理者等がこの法律の目的を達成するために行う措置に協力しなければならない。