第一条 この法律で「公衆浴場」とは、温湯、潮湯又は温泉その他を使用して、公衆を入浴させる施設をいう。
2 この法律で「浴場業」とは、都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区にあつては、市長又は区長。以下同じ。)の許可を受けて、業として公衆浴場を経営することをいう。
第二条 業として公衆浴場を経営しようとする者は、都道府県知事の許可を受けなければならない。
2 都道府県知事は、公衆浴場の設置の場所若しくはその構造設備が、公衆衛生上不適当であると認めるとき又はその設置の場所が配置の適正を欠くと認めるときは、前項の許可を与えないことができる。但し、この場合においては、都道府県知事は、理由を附した書面をもつて、その旨を通知しなければならない。
3 前項の設置の場所の配置の基準については、都道府県(保健所を設置する市又は特別区にあつては、市又は特別区。以下同じ。)が条例で、これを定める。
4 都道府県知事は、第二項の規定の趣旨にかんがみて必要があると認めるときは、第一項の許可に必要な条件を附することができる。
第二条の二 浴場業を営む者(以下「営業者」という。)について相続、合併又は分割(当該浴場業を承継させるものに限る。)があつたときは、相続人(相続人が二人以上ある場合において、その全員の同意により当該浴場業を承継すべき相続人を選定したときは、その者)、合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人又は分割により当該浴場業を承継した法人は、営業者の地位を承継する。
2 前項の規定により営業者の地位を承継した者は、遅滞なく、その事実を証する書面を添えて、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
第三条 営業者は、公衆浴場について、換気、採光、照明、保温及び清潔その他入浴者の衛生及び風紀に必要な措置を講じなければならない。
2 前項の措置の基準については、都道府県が条例で、これを定める。
第四条 営業者は伝染性の疾病にかかつている者と認められる者に対しては、その入浴を拒まなければならない。但し、省令の定めるところにより、療養のために利用される公衆浴場で、都道府県知事の許可を受けたものについては、この限りでない。
第五条 入浴者は、公衆浴場において、浴そ
う
内を著しく不潔にし、その他公衆衛生に害を及ぼす虞のある行為をしてはならない。
2 営業者又は公衆浴場の管理者は、前項の行為をする者に対して、その行為を制止しなければならない。
第六条 都道府県知事は、必要があると認めるときは、営業者その他の関係者から必要な報告を求め、又は当該職員に公衆浴場に立ち入り、第二条第四項の規定により付した条件の遵守若しくは第三条第一項の規定による措置の実施の状況を検査させることができる。
2 当該職員が前項の規定により立入検査をする場合においては、その身分を示す証票を携帯し、且つ、関係人の請求があるときは、これを呈示しなければならない。
第七条 都道府県知事は、営業者が、第二条第四項の規定により附した条件又は第三条第一項の規定に違反したときは、第二条第一項の許可を取り消し、又は期間を定めて営業の停止を命ずることができる。
2 前項の規定による許可の取消しに係る聴聞の期日における審理は、公開により行わなければならない。
第八条 次の各号の一に該当する者は、これを六月以下の懲役又は一万円以下の罰金に処する。
第九条 第六条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は当該職員の立入検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、これを二千円以下の罰金に処する。
第十条 次の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
二 第四条の規定により営業者が拒んだにもかかわらず入浴した者又は第五条第一項の規定に違反した者
第十一条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、第八条、第九条又は前条第一号の違反行為をしたときは、行為者を罰する外、その法人又は人に対しても、各本条の罰金又は科料を科する。